cornard Theatre/コロナードシアター

 

rockford, IL

february 18, 2006


その夜、会場に着いた時には、すでにたくさんの人々がシアターに集まっていて、寒さのためか、劇場の表玄関は開けられ、中のロビーでみな開演を待っていた。ロビーの天井は高く、周りの壁にはかなり手の込んだ彫刻などが施されて、会場の中も、周りにボックスシートはなかったものの、内装はまるでどこかの古いオペラ座のように綺麗だった。実際に、DVDインタビューでリックも言っていたけれど、会場探しを沢山したらしいが、なぜここを選んだかというもの納得。DVDの映像では余り感じないが、テレビ撮影用にその日の客席はいつもよりライトは明るめに保たれていた。会場シーンもよく映るようにといった配慮からだろう。そういえば、会場入り口には、「コンサートはテレビ撮影のため、この会場に入った人は全員、肖像権をゆだねる」といった注意書きがあった。開演時間の9時、ステージには地元DJが現れ、これからのリックのコンサート、今後のコンサート予定などを紹介し、その約15分後、リックのロードマネージャーが現れ、まず最初に、先に行われたファンクラブのスマトラ沖地震の被災者援助のための基金集めの昼食会で約18,000ドルが集まったことを発表し、参加した人達に感謝。その後、特別コンサートのルールの説明があった。まずTV撮影用のコンサートだけれど、いつも通りのコンサートスタイルで行うとの事。言っていた通り実際のコンサートもDVDで観るように、途中で止めたり、カットといったことはなかった。また、そんなことが出来るものリックのライブ経験の多さからだろう。

次に「I Get Excited」について。いつも会場からファンがどっとステージに押し寄せる混乱を避けるためにすでにギター・ガールは決まっているとの事だった。そう、あのDVD女の人は、リックのGod Daughterでその右隣にいたのは彼女の妹。それもそのはず、本物のファンなら歌詞をしっかりと知っていて、もっと出だしをしっかり歌うはず。その他のファンは客席から上がってきたけれど、「ステージに上がるのは10~15人くらい、また曲が終ったら速やかに会場に戻る」と先のロニーからのお達しで、いつものコンサートよりは混乱なくスムーズに終ったと思う。DVDではカットされていたけど、曲が始まってファンの1人が数回フライングでステージに上がろうとした時、リックがまだまだと言っていた。

テレビ撮影の邪魔になるということでフラッシュ撮影はもちろんカメラも持ち込み禁止だったが、3人のファンだけは写真撮影を許され、このコンサートでの写真を撮っていた。テレビカメラマンは、二人がステージに、そして会場にはステージ正面あたりに1人、また中ほどには上から自動に動くカメラがつるされリックの動きや会場の様子をそれぞれとらえていたのを覚えているが、確か、リックがインタビューではカメラが8つと言っていた。が、残りの4台はどこにあったのかちょっと覚えていない。

そして、マネージャーが説明をし終りステージから立ち去ると、会場全体が期待感に包まれ、すぐ「Open My Eyes」のリミックス・オープニング・ソングソングが始まり、ここからはDVDでもよく分かると思うが、SDAAのカーテンの後ろ側にいるバンドが、「I Make You Happy」のイントロを演奏し、途中リックの影のシルエットがそのカーテンに映し出された時は、会場は拍手と悲鳴の渦。

リックのいでたちは説明するまでもないと思うが、ネクタイ姿は以外だった。でも確かアレは80年代にしていたやつだったと思う。どこかの写真で見たことが思い出せない。

まず、コンサートで、目新しかったのは、「Don’t Talk to Strangers」。曲も、観客にマイクを向けて歌わせるのも特に目新しくはないのだが、ご存知今回は日本が版が見られる。とっさにマイクを向けられて当然あせったが考えれいる余裕はなかった。とりあえず、英語で歌う分には発音はともかく、特に問題はなかったが、その直後にリックが、「気のせいか日本語のアクセントが聞こた。日本語で歌ってくれる?」と言うではないか。首を縦に振ってはみたものの、さてどうしようかと内心あわてふさめいた。とりあえずあの短い間に、「Don’t Talk to Strangers」のフレーズにあう日本語を考えなくてはいけなかったが、とっさに口から出たのがあの「誰と~も話すな」。後で考えたらあれじゃあ「Don’t Talk to Anyone」だと思ってみてももう遅し。が、リックはもちろん、他のアメリカ人もまずそんな事に気が付くことはないだろうから、まあ、いいか、、、。

思い立ったところで、TV用にカットされたシーンは、リックがカメラマンから自らカメラをとり、バンド紹介をした時にロジャーは電話番号の入った「Drummer for rent」のプラーカードを掲げ自らをアピールしていた。また、それまでリックのギター・テクニッシャンだったジョージ・バーへイトのこれがリックのバンドのギター・リストとしての初舞台。DVDでは無難にこなしているように思えたけど、実際のコンサートでは、緊張からか、ぎこちなさが感じられた覚えている

リック自身は、いつもにも増してとれもエネルギッシュだったと思う。声もクリヤーであったが途中、何曲かを歌っていた時に、高いキーの部分を下げて歌っていたことに気が付き、また、後にリックがステージ袖にいたマネージャーと目が合った時、声は大丈夫かという彼のしぐさに対し、リックがうなずいていたのを目撃し、本当は彼の声は本調子ではなかったのではないだろうかと思ったが、もし本調子でなかったとしても、こんな小さなしぐさを見ていなかったら、まったく不調があったとは感じられないようなボーカルだった。


テレビを見ての通り、リックは新しいサックス演奏者を連れてきていた。彼は「The Day After Today」のCDで「Baker Street」のレコーデングに参加したサックス奏者。「TDAY」からは、もちろん「Baker Street」、「Broken Wings」と「Waiting for a Girl Like You」を披露。実はこの時は、CD発売前だったので、これらの曲はこのコンサートでプレミアとなったのだった。

最後にこのコンサートのハイライト。約二時間にも及んだコンサートのアンコールが終った後、ステージからはバンドが立ち去りこれで終わりと思いきや、なかなか会場のライトが明るく照らさないので、「おやっ?」と思い間もなく、ステージ袖からアコースチィックギターを持ったリック現れ、青いスポットライトに照らし出された。すこし、残念なのはテレビの映像では少しばかりそのブルーのスポットライトの効果が薄れたような気がする。そして、ギターのイントロがはじまり、「My Father’s Chair」。ご存知のように、そのセッテイングが非常にセンチメンタルで、目はすっかりリックに釘付けだった。DVDでもよく見ると分かるが、リックの目が潤んでいた。彼はずっと上の一点を見つめながら曲を歌い続けていて、おそらく天国にいる彼の父親に歌っていたのだろうか、、、、。曲が終わった後、リックは静かにバラの花ビラが一面に舞い散ったステージから去っていった。

当日の演奏曲目です。
1.  I'll Make You Happy
2.  Will I
?3.  Affair of the Heart
4.  I've done Everything For You
5.  Rock of Life
6..  Red House
7.Don't Talk To Strangers
8.  I Get Excited
9. Baker Street
10.Broken Wings
11 Beautiful You
12 Living In Oz
13 Waiting For A Girl Like You
14. Love Somebody
15. Jesus Saves
16. Kristina
17. Human Touch
18. Jessie's Girl
アンコール
19. Perfect
20. Wasted
21. Love Is Alright
22. My Father's Chair

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